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デザインシステムとは

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001初版公開

    デザインシステムとは、ブランドやコミュニケーションの価値観定義を指針化したデザインプリンシプル、情報アーキテクチャとインタラクションデザインに基づいたコンポーネント定義、アクセシビリティを含んだ規範となるデザインガイドラインといった、デザインアセットの集合体です。


    異なる部門や関係者が共同作業を行うために使う共通のアイデンティティとなる強固な指標のことを、バウンダリーオブジェクトといいます。デザインシステムは、組織としてその効果や価値を認識することで、組織全体においてのバウンダリーオブジェクトとして機能します。デザインシステムは、組織が掲げる理念が反映された視覚的なルールをUIコンポーネントとして包含しており、デザイナーや開発者だけでなく、企画や営業部門といったあらゆるステークホルダーがコミュニケーションする際に用いることができるからです。

    また、アクセシビリティやユーザビリティの具体的なベストプラクティスを踏まえたアセットの一式が構造化されているため、UIコンポーネントや作例をそのままパタンランゲージとしても活用できます。

    デジタル庁デザインシステムの特徴

    デジタル庁デザインシステムは、官公庁や地方自治体などの行政機関や公共性の高い組織等のウェブサイト/ウェブアプリケーション/オンラインサービスまたはシステム等で利用されるデザインプラットフォームです。これは、準拠するための規約やデザインを機械的に生成するルールといったものではなく、デザインの考え方や枠組みとアクセシビリティを掛け合わせた「仕組み」であり、デジタル庁デザインシステムを利用する人すべてにとって、制作作業を効率的なものとし、設計や試行という創造的な工数に時間を割けるようにするためのアドバンテージを提供するものです。

    また、以下の理念を追求して作成されており、デジタル化の恩恵をすべての人に届けられる日本のデジタル化社会の構築に寄与します。

    アクセシビリティファースト

    デジタル庁のミッションである「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」の実現のために、また、ウェブというメディア特性を最大限に生かすために、アクセシビリティを最優先事項に位置付けています。WCAG等のアクセシビリティガイドラインを最大限に取り込み、デジタル庁デザインシステムを利用してサイトやサービスを構築することで、アクセシビリティに優れた成果物が得られる支援ツールたりえることを目指しています。

    行政機関にとって高い汎用性と利便性

    デジタル庁デザインシステムは特定のブランドやサービス、固有のシステム等のために作られているものではありません。行政機関におけるさまざまなサービスや手続き等のデジタル化において幅広く利用されるプラットフォームであることに徹し、高い汎用性を保つことを意識しています。これは、たとえば提供するコンポーネントがプリミティブな情報要素の組み合わせによって形づくられていることで体現しています。汎用性が高いことで、個別の要件に基づくカスタマイズが容易であり、サービスごとのスタイルガイドを矛盾なく作成できます。また、行政機関のサービス等での使用を想起しやすい作例やガイドラインを充実させることで、利便性を高めてコンポーネントの活用を促進します。

    継続的かつ持続可能な改善活動および研究と実践

    各種のウェブテクノロジーは常に進化・変化しており、技術仕様だけでなく、利用者の閲覧環境も絶え間なく進化を続けています。最新の規格やそこに至るまでのドラフト段階から得た仕様を研究してその成果を実践していくとともに、提供サービスの用途やニーズの変容にも寄り添い、そして利用者のユースケースの転用や拡張に対応したデザインシステムであることを標榜しています。継続的かつ持続的な改善活動が可能な開発体制の維持に尽力して参ります。

    このほか、一般的なデザインシステムがもつ特徴である、一貫性のある情報コンポーネントによる学習効率・開発効率等の向上、アクセシビリティとユーザビリティを兼ね備えたUIがもたらす記憶容易性やエラー回避率および利用満足度の向上等も包含します。